月の爆撃機

2月の終わりに卒業式があった。

僕はクラス担任ではなくて，寮担任だから，僕の寮にすんでいた
高3の生徒，保護者がいろいろと挨拶に来てくれる。

ある寮生の保護者と廊下ですれ違った。
「先生。うちの息子が先生の寮で２年間お世話になりました・・・」
と言い始めたとたん，ボロボローって涙がこぼれた。

そうだよなあ。
うん。。

年なんか自分よりも２０歳くらい年下なんだけど，
そんな若い教員に向かって，涙を流しながら感謝の言葉を
述べる親の気持ち。

僕には子どもはいないけれど，その気持ちは想像がつく。
（いや，きっと僕の想像をはるかに超えていると思うんだけど，超えているということはもっともっとすごいということだ）

僕のいる学校は中高一貫校なので，中１のころから，遠く県外にある
この学校の寮に自分の息子を預けているという親がたくさんいる。

中１だよ。中１。さっきまで小学生だった子どもを手放して，
寮生活させるんだよ。自分で掃除とか選択とかするんだよ。

そりゃ心配だよ。
でも，そんな環境で一生懸命生きてきた生徒たちの成長ぶりは，それはそれはすごいものだ。

大学にいっても，社会に出ても，社会を引退しても，この経験はきっと彼ら，彼女らの役にたつに違いない。

そう思ってるから，この仕事は楽しい。